水彩画がオススメ!
「この道具でこうやって描きたい!」というのが決まっていない場合、私は初めての方には水彩画をオススメしています。理由は薄く塗ったり、厚めに塗ったり、色を混ぜたり、重ねてみたり、弾いて垂らしてみたり、滲ませたり、水をつけずに塗ったり、など、表現の幅が広いからです。
ボールペンやマジックなんかはコンビニでも買えるし、それじゃダメなの?と思われるかもしれませんが、メインの画材としては水彩絵の具ほどの使い道の幅がないので、初めはサブ的に使うのをオススメします。(でも冒頭に書いたように、「この道具でこうやって描きたい」という希望があればどんどんやる方がいいです。)
他の画材との相性もいいので、併用にも向いています。他の手法をメインにするつもりの方でも、一度手を出してみる価値はあります。
また、道具を揃えるのも比較的安く済みます。8つ全部揃えても10,000円ほどですので、迷うぐらいならとりあえず一通り揃えてみてください。
もちろん、幼稚園や小学校時代の絵の具セットがあったら、そちらで大丈夫ですよ。(カチカチに固まっていたらやめましょう)
まずは画材屋さんへ!
必要なものを通販で一気に揃えるのもいいですが、都市部にお住いの方は、一度は大きな画材屋さんに行ってみて下さい。
例えば新宿世界堂は7階建てのビルが丸ごと1つ画材屋さんになっています。
絵を描く道具だけでなく、文房具や工作の道具や素材も充実しています。絵の参考になる資料の本も沢山あります。
見ているとイメージが膨らんで、ずっと居てもあきません。
素敵な額縁も種類豊富にあるので、こんなのに絵を入れて部屋に飾りたいなと考えるとワクワクします。
新宿世界堂 https://www.sekaido.co.jp/store/77/
他には東急ハンズやユザワヤなど、ハンドメイドの大型店がありますが、どこもオススメなのでお近くにありましたら足を運んでみて下さい。
もちろん、買うだけならネット上でもすべて揃えることができます。わざわざ新幹線に乗ってまで行く必要はないですよ。
まず最初に買う物―――それは
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- 鉛筆
- 消しゴム
- 紙
- 筆
- 水彩絵の具
- バケツ
- 水彩色鉛筆
- パレット
の8つになります。
鉛筆
文字を書く鉛筆としてスタンダードな2BとHB、それと、今まで使ったことのない方も多いかもしれませんが、2Hを用意して下さい。
鉛筆は10Bから10Hまであります。
1番柔らかい10B⇄1番硬い10Hと、数字の順番になっているので、数字が大きい物はどんなものか使ってみたい方は試しに買ってみて下さい。
鉛筆画を描くときのコツや注意点は鉛筆画の記事で書きますが、水彩画では鉛筆はカラーの画材の下書きや補佐として使用します。
ある程度下書きの段階で2B(濃い)〜HB〜2H(薄い)まで使って線で陰影や強弱を付けておくと後から色をつけやすいので、初めは3種類ぐらいあると便利です。慣れてきたら最も描きやすい1種類でも十分です。
鉛筆を使ったデッサンについてはこちら→初めてのデッサン!揃える道具8つ
消しゴム
消しゴムは練り消しゴムという柔らかい消しゴムと、プラスチック消しゴムの両方を用意して下さい。
消しゴムは消すというイメージではなくて、失敗した所も生かすように描く為の道具だと思ってください。
その為、ふにゃふにゃの練り消しだけ、硬くてシャープなプラスチック消しゴムだけ、と使うより、両方あった方が俄然表現の幅が広がります。
紙
まずは本当に普通のスケッチブックでいいと思います。おなじみマルマンの黄色と黒のとか。
もちろん、バラ売りの画用紙でも良いと思います。
専門店に行けば行くほど、種類が多くてわけが分からなくなると思うので、敢えて初めは何の変哲も無いものをオススメします。値段が高すぎなければ普通の物だと考えて大丈夫です。
筆
筆売り場に行くと、色んな動物の毛の筆が売られていて驚くと思います!
でも最初は、ナイロン製の物で充分です。丈夫で抜け毛も無く使いやすいです。100均のナイロン筆でもいいと思います。
大・中・小と適当な大きさで揃えましょう。
そこに更に、極大と極細も合わせて5種類ぐらい用意すると大変便利です。
極大は幅10cm〜15cmくらいの幅広のハケで、極細は1〜2mmくらいの細さの面相筆です。
広い面を塗る時は少し大きいくらいの筆だと慣れないうちは塗りムラができてしまいますし、細かい所を描く時は針のように細い道具が必要になってきます。便利なセットも売っていますね。
水彩絵の具
いよいよメインの画材です。
水彩絵の具とはいわゆる小さい頃の絵の具セットに入っていた物と同じ種類の水溶性の絵の具です。
「ぺんてる」という会社の物を使っていた人が多いのではないでしょうか。もちろんそちらでも大丈夫です。
小さい頃のクレヨンや絵の具セットが残っていればまずそれから使ってみて下さい。(※ドロドロしていたり固まっていたらやめておきましょう。)
大きな画材屋さんに行くと見たことも聞いたこともないメーカーの水彩絵の具が沢山あって迷ってしまうと思いますが、初めのうちは安くて標準的な水彩絵の具を選べば大丈夫です。間違えないか不安な方は店員さんに聞いてみて下さいね。
「ぺんてる」などの標準的な水彩絵の具の他、アクリル絵の具もオススメです。
歴史の浅い絵の具ですが、多くの現代画家に愛用されています。
こちらはとにかく乾きが早く、ある程度上からやり直しがきくので、失敗を気にせずやりたい方や、早く進めたい方にオススメです。
画風により向き不向きがありますが、まずは深く考えずにどちらか1セット用意してみてください。
色数は多くなくて大丈夫です。
三原色(赤、青、黄色)と、黒と白、後は暗めの色としてこげ茶と藍色を選んだら、あとは好きな色を好きなだけ選んでわくわくして下さい。
赤〜青〜黄色も、色んなメーカーから色んな名称で出ていますが、自分の目で見て、これでいいやと思う物で大丈夫です。
心配なら12色セットくらいのセットを買って、あとはそこに入っていない好きな色をバラ売りで買いましょう。
また、水溶性の絵の具で、透明水彩というとても発色が美しい水彩絵の具があります。
こちらは単体で絵を完成させるには不向きですが、2セット目以降に是非検討してみてください。
透明水彩は、水にするっと溶けるところはとても使いやすいのですが、その名の通り透明感のある画材なので、重ねて厚みを出すのには不向きです。
画材でいう透明とは、かき氷のシロップみたいに、向こう側が透けて見えることを言います。透明な物は重ねるにしても基本的に薄く塗り重ねます。
私はビビットな色の発色が綺麗なので派手めの色と、深くて濃い色を揃えています。
他の絵の具単体では出せない、すごく暗い所や、微妙な濃淡を出せるのも透明水彩の良いところです。
厚く塗った別の水溶性絵の具の上に薄めに塗り重ねると、すごく深みのある表情が生まれます!
とにかく 薄い色を重ねてじわじわと濃くなっていく過程がたまりません!
私はよく失敗するし、重ねることが多いのでアクリル絵の具を多用しつつ、ここぞという綺麗な色を出したいときに透明水彩を使ったりします。
透明水彩についてこれ以上長くしてはいけませんので、絵の具の透明不透明の説明と合わせて別の記事でお話しします。
さらに発色にこだわるならカラーインクというものがあるのですが、特殊で使いづらく感じると思います。こちらも別記事で紹介します。
バケツ
バケツは水を入れるための物です。何でもよいので、水を入れる容器を用意します。
これはよく汚れるので、高くて良い物でなくても何でもいいです。筆を立てた時に全部浸かってしまうほど深くなければ大丈夫です。
水彩色鉛筆
水彩色鉛筆とは、なんと水に溶ける特殊な芯の色鉛筆のことです。
普通に色鉛筆として使うも良し、色鉛筆として使ってから水をつけた筆でぼかして水彩絵の具の様に使っても良し。水彩絵の具と相性の良い画材です。
こちらも種類豊富なので、心配なら12色セットを、それか三原色(赤、青、黄色)と黒と白、暗めの色としてこげ茶と藍色を、そして好きな色を買いましょう。
普通は色鉛筆の白は全然使わなくて余っていることが多いですが、水彩色鉛筆の白は使いどころが結構あります。
白と他の色を水と混ぜて混色(色を混ぜること)にも使えるからです!
あと、水で少し芯を湿らせて使うと、修正液ほどの強さはありませんが、ハイライトとしても使えます。
私は48色以上持っています。ちょっとしたマニアです。ファーバーカステルのものが柔らかくてオススメです。
パレット
最後に絵の具を乗せるパレットですが、私は洗うのが面倒なのでコンビニ弁当の蓋とかに出しています。そこにラップをかければ蓋になりますよ。(アクリル絵の具が一瞬で乾いて固まるのをすこし遅らせてくれます。標準的な水彩絵の具なら気にしなくて大丈夫ですが、アクリル絵の具はプラスチックのパレットにくっついて取れなくなりますので、注意して下さい。)
いくらなんでもお弁当の蓋は…と思われた方には、紙パレットをオススメします。
このパレットは、表面がつるつるの紙でできていて、ノートの様にめくって、汚れたら交換できる優れ物なんです。
この様に、パレットはプラスチックや木だけではないよ、という参考にして、お好みの物をお使い下さい。
ふにゃふにゃだからあまり人にはオススメはできないけどさ。
絵の具に関してもっと詳しく書かれた記事はこちら→油絵、アクリル、透明水彩、カラーインク、ニュー絵の具?絵の具比較!
道具が揃ったら次は何をどう描くか?→絵は何から描いたらいい?モチーフについて