プロ奢ラレヤーさんをご存知でしょうか?
Twitterで有名な、「人から奢られることを生業としている」人です。
プロフィールには彼に奢る方法が書いてあります。
どれか1つ当てはまる人は奢れます。
・フォロワー5000人以上
・前科あり
・文系修士
・博士課程 在籍or卒
・障害あり(人口1%以下)
・レアな職業(人口5000人以下)
・2万円払う(学割 1万円)・その他、好奇心をくすぐるDMなら歓迎
↓必ずこれを読んでからDMどうぞ。https://t.co/RKYqWKdKkW pic.twitter.com/MwUTtpOB64
— プロ奢ラレヤー? (@taichinakaj) February 26, 2020
https://twitter.com/taichinakaj
「生きててえらい」や、「年収1000万稼ぐ能力より月収15万で楽しく暮らせる能力の方がレア」など、気楽に生きられる名言を呟いていて、いつも勝手に彼の発言で励まされています。
知識と知恵が詰まった現代の賢者的存在の方と認識しています。
何故私がプロ奢ラレヤーさんに奢りに行ってしかも絵の話まで聞いてきたかというと、会ってみたいという純粋な好奇心と、確か当時の奢る時の項目に「僕に聞きたいことがあれば書いてください」と記載があったので、「何か聞いていいの?!」と思ったからです。
ただ奢って雑談するのだって、彼ほど色んな人間に会ってきた人とならとても楽しいに違いないでしょう。
しかし、面白い人な上に何か聞いてもいいらしいとなると、より興味が湧きます。
私の聞きたいことは一つ
「自分が描きたい絵を売ってそれだけで生きていくには?」
です。
イラストの仕事は基本オーダーメイドです。自分発信で描きたいものを描くのとは違い、お客様に喜んでもらえるようにがんばるものです。
自分発信の絵もありがたいことにちょこちょこご購入頂けることはあるのですが…それだけで生きていくとなると簡単ではありません。
自分が描きたい絵を生活費がまかなえるくらい売るには?という質問に対して、なかなか腑に落ちる答えに出会えないんですよね。
趣味にしとけば?ってそれ解決策じゃない!
わがままな、質問だとは承知しています…。
描きたいものだけ描いて生きられたらな〜と甘々なこと考えてしまうんです。
そんなわけでプロ奢さんにお会いしてきました。
さっぱり顔の物腰柔らかなイケメン
早めに着いて緊張して待っていると、来ました!プロ奢さんです…!
まずは挨拶を交わしました。
お声は思ったより低く、動きは思ったより速いです!
表情も豊かなイケメン!
Twitterだと静止画だし分からないですね。
さっそくリーズナブルなお寿司屋さんに行きました。
アートとマーケティング
結構前のことなのでうろ覚えなのですが、こんな流れの会話をしたと思います。
プ「どんなことしてるんですか?」
私「絵を描いています!」
プ「専攻は?」
私「学部は油絵科、修士は美術解剖学でした!」
プ「解剖学?」
私「医学部のご遺体を拝見したり、動物の死骸を教室に持って行って解剖したりします。」
プ「おもしろいですね…!」
私「///」
こんな感じでテキパキとお話しされ、奢る人におもしろいところがないか探っていくプロ奢さん。
いよいよ本題である「好きな絵だけで生活できるようになるには?」を聞きます。
絵も見てもらいます。
プ「これは難しいですね。」
私「…(やっぱり私の絵は売りにくいのか…)」
プ「アートはマーケティングできないものなんです。」
私「!?」
プ「マーケティングできるならデザインですね。アートではなく。デザインの勉強してお金にするかな〜。そしてそれとは別に、死なない程度に描きたい絵を描かないと」
私「!?!?!かっ…描きたい絵を描かないと死ぬって分かるんですか?」
〜ここらへん興奮して会話あんまり覚えてない〜
プ「アートの制作過程そのものにマーケティングはいらないんです。だってそれやったらもうアートじゃないから。」
私「」
今まで、さんざん売れること考えないのはただの趣味って言われてきた。確かにそう思う。
でも描きたい物描かないと苦しい。
描くことが排泄であり呼吸だから。
最初は見る人のことなんて考えて描かない。
買う人のことなんて考えて描かない。
そんな気持ちで排泄や呼吸したりする?
どうしてこの感覚が誰にも伝わらないんだろう?
売れることを考えるのをサボって好きな絵描いてるわけじゃない。
ただ売り物の比率だけが増えて好きな絵を描けなくなると苦しい。
ずっとこんなことを考えてきました。
マーケティングが上手い人、絵を売るのが上手い人、みんな、そんな自己満な気持ちはいらないよって言ってるようでした。
なのに…
何故プロ奢さんには分かるんだろう…?
頭の曇りが晴れたようでした。
アートの制作過程そのものにマーケティングはいらない
私がうまく言葉にできないことを見事に言葉にされておりました。
このときの感動を超える経験はなかなかありません。
とても価値ある時間と情報を頂いて、帰路につき、この話を漫画にします。
(なんか感動するとすぐ描いておきたくなる)
ツイートが結構リツイートされました。
先日プロ奢ラレヤーさんに奢った話を漫画にしました。 pic.twitter.com/llMl9YdWpR
— 菅原千明 (@chiakisugawara) June 19, 2019
本当…プロ奢さんに奢ってよかったー!!!
しかし…結局描きたい絵だけで即座に生活するのは難しいということが分かりました。当たり前だけど。
育児で生活の中の時間が減り体力も減り、お金も必要になり、少しテンパっていたと思います。
コツコツやっていくしかありません。
(それとは逆に描きたい絵のイメージは洪水状態なんだ〜!)
最近読書する余裕も出てきたのでこの本も読み進めていこう!