1.落とし所を決める
2.ブレない
3.素材に引っ張られすぎない
1.落とし所を決める
絵と写真という異素材を使って作品を作ったことがある人、もしくは作ろうと思っている方はいらっしゃるでしょうか?
写真と絵画の中間といえば、コラージュやCGなどがありますね。
でも私が描いているのはちょっと違います。あんまりやっている人を見たことがありません。
言葉で説明するより絵を見てもらった方が早いのでまずはこちらをご覧ください。
こちらはスタイリストさんとコラボした作品です。写真を切り抜いたり、張ったり、絵を上から描いたりしています。
ここから着想を得て生まれたのが夏希さん企画のモデルさんとのコラボ
こちらは購入できます!←ちゃっかり宣伝
これらの絵は
①絵コンテを描き
②絵コンテの人物と同じポーズをモデルがとる
③カメラマンが撮影
④上がった写真を使って絵を描く
という手順でできています。
コラージュの場合は色んな素材を組み合わせてつくるバラバラ感を敢えて楽しむように作り、CGは写真と絵の継ぎ目が分からないようにうまく馴染ませて作ります。私が描いている絵はその真ん中というイメージなので、落としどころが難しいです…!
しっかり落としどころを決めないと、何がしたいのか分からない絵になります。
私の場合は落とし所は「絵なのか写真なのか分からない、どちらとも言えないしどちらとも言える、だまし絵」です。
コラージュやCGではありません。
今回は何度も頭を使って描く機会がありました。→絵の上達の秘訣。頭とフィーリングを使って描く
2.ブレない
モデルさんとカメラマンさんが素晴らしければ素晴らしいほど、写真を塗り潰すのを躊躇してしまいます!
良い写真ってもうそれだけで完結しているんです。微妙な写真だったら沢山描かなければ絵にならないかもしれないけど、ビシッときまってる写真に加筆するのは正直勇気がいります。色々描くために白背景ではあるんですけど。
だからといってモデルさん部分に遠慮がちに描くと、絵の中の写真の人物って感じになります。
背景を頑張れば頑張るほど人物と背景が別世界になってしまいます。
なので、思い切りよく描く。ブレないこと!
これは別の仕事にも通じると思いました。
良い素材を手に入れたからといってそこに何も手を加えないというのは、素材に頼りきっているし、そもそもその素材を使う意味は何なのか?と。
3.素材に引っ張られすぎない
良い写真は素材として完成されています。
写真の色味やコントラストに引っ張られると、自分のタッチを写真に合わせたリアルタッチにしなければならなくなります。
絵と写真の間を狙って程よくするには、ある程度写真のタッチを消して絵に合わせることも必要です。
そこで重要なのがPhotoshop。
Photoshopで写真の色相やコントラストを絵に合わせて調整します。
ごくごく普通のことですが、Photoshopを使えばいいんだ!と閃くまで私は時間が掛かりました…。
まとめ
写真と絵の間を狙って描くのは普通に絵を描くのとは違う面白さと大変さがありました。
特に今回は美術の総監督は私だったのでどうやってまとめるのか考えるのが難しかったです。
いつもはひたすらクライアントさんの要望を叶えるために描きますが、今回は自分の要望だったので、どこででも終わりにできる…逆に難しいです。
自分に厳しくクオリティを上げるディレクターのお仕事されている方を本当にすごいと思いました。
描きたいものを形にするのも、1人で絵を描く時とは違うと感じました。
自分の引き出しを広げるためにコラボしたり誰かに制作をお願いしたりすると広がりますね。
音楽や映像や演劇の人達はいつもこうやっていろんな人の手を借りてやるのが当たり前なのかなとおもいました。
専攻の分野によって性格のカラーの違いが出るのもうなずけました。
大学時代に油絵科がコミュ障と言われたのもちょっと分かります笑