今回はデッサンの描き方についてお話します。
まだ必要な道具がそろっていない方は、こちらの記事を参照して下さい。
初めてのデッサン!揃える道具8つ
また、モチーフに困ったらこちらをご覧下さい
絵は何から描いたらいい?モチーフについて
デッサンの鉛筆の持ち方はこうです。
おさらいとして鉛筆の削り方を挙げておきます。
デッサンの鉛筆の持ち方が普通の鉛筆の持ち方と違うのは理由があって、この持ち方だと肩やお腹を使って、かなり大きなタッチを描けるからです。
普通の鉛筆の持ち方だと、タッチの可動域が狭いです。
それで思い切り描いていたら、手首に負担が掛かります。
細かい所を描くときは普通の鉛筆の持ち方に変えても大丈夫です。
デッサンは意外と運動のように体を使うものだということを頭の片隅に入れておいて下さい。
手順
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あたりを取る
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比率を測って比べる
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ぼんやり描く
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しっかり描く
1.あたりを取る
あたりを取る、とは、物の大体の位置や大きさを優しい筆圧でざっくり描くことです。
丸、三角、四角のようにかなりアバウトで大丈夫です。
特別な意図が無ければ、紙の中でおさまりが良い位置に描きます。
極端に端の方に描いたり、モチーフが大きすぎたり小さすぎなければ大丈夫です。
ただし、複数のモチーフを並べて描く場合、どれが1番背が高いのか、幅が広いのか、注意して見る必要があります。
2.比率を測って比べる
比率を測るとは、鉛筆を利用して物の長さを測って、他の物はそれに対してどのくらい長いか、比べて見ることです。
ここが難しく、初めは狂います。
しかし、次第に鉛筆にそこまで頼らなくても目分量で分かるようになってきます。
「1.あたりを取る」の項目でも書いたように、1番長いものと短いものを把握し、1番長い物に対してここは何分の何くらい…1番短いものの何倍くらいの長さだ…
と、比を計算するんです。
どんどん長さが分かった物から、位置が分かるように描き始めます。
この時も、まだ消せるくらいの優しい筆圧で描いておいた方がいいでしょう。
3.ぼんやり描く
大体位置や比率が見えてきたら、具体的に描いていきます。ただの丸など記号的だった物が、名前のある物になっていきます。
ここで注意して頂きたいのは、アウトライン(輪郭)ばかり追わないこと。輪郭だけ先に完成すると、奥行きや立体感がない、漫画っぽいあっさりとしたデッサンになります。
4.しっかり描きこんでいく
輪郭を追わないように注意しながら、しっかり描き込んでいきます。
陰影
質感
これらを意識します。
陰影の出し方
デッサンはとにかく陰影が大切です。どこが一番明るいか、どこが一番暗いかを意識してください。
できるだけ沢山の幅のグレーのグラデーションを作ることが鍵です。
質感の出し方
書いてあるモチーフに触るとどんな感じがするか?を意識してください。
塗り方を変えて、変化に富んだタッチを作りましょう。
例えばザラザラとツルツルを、同じ様に描かないと意識しましょう。
柔らかい物でも、毛糸で出来たものと綿で出来たものは質が違います。
鉛筆を立てて描いた時と、寝かせて描いた時、思い切り強く引いた線と、弱々しく引いた線、円を描きながら描いた筆致と、縦横斜めの直線を重ねた筆致。
それぞれ、かなり印象が違います。
いかに鉛筆という道具のみで画面を複雑にできるか、ということが、見栄えの良いデッサンにするコツです。
修正を行わずパッと描く練習をするクロッキーでは、陰影を使わず線の強弱だけでものを描くことを目標にしています。陰影を使わない線だけでも表現は可能ということです。
・白、まっ黒と、その中間様々なグレーのグラデーション(10段階以上を目指そう)
・沢山の複雑なタッチ
まずはこれらを意識して下さい。
練り消しの使い方ですが、練り消しは「消す道具」ではなく「白く描く道具」だと捉えて下さい。
失敗した!と思っても、一気に消して真っ白にせず、ニュアンスを残しながら練り消しで白くごまかす…そんなつもりで使ってみて下さい。
逆にプラスチック消しゴムは、白くハッキリ消す道具だと捉えて下さい。
本当に失敗してもう消すしかない場合や、工業製品などのキツいハイライトなど、シャープな所や真っ白なところに使うイメージです。
角がなくなってシャープさが無くなったら、消しゴムをカッターで切ってまた角を作りましょう。
まとめ
・鉛筆の持ち方に気をつける
・初めはざっくり、優しいタッチで描く
・真っ白な所と真っ黒な所、その中間沢山のグレーを探して10段階以上作る事を目標にする
初めの目標はこんな感じです。
中級編では更にテクニカルなことについて書きます。