絵を描く男
よく、「何も見ないで描けるんだと思ってた」と言われますが、絵の資料はよく使います。

絵の資料というと、会議やプレゼンで使うような、とても固い印象を感じられるかもしれませんが、集めるのが楽しくて楽しくて仕方がない!といった種類の資料もあるんですよ。

絵の資料には以下のような用途があります。

1.知らない物を正確に描く
2.大まかに取り入れて参考にする
3.雰囲気を醸し出す
4.モチベーションを上げる

絵の資料集めなんて大変そう…と思う方には、4.の用途の資料から集める事をおすすめします。資料という概念ではもはや無い物かもしれませんが、実は一番あなたの世界を作ってくれるものです。

ひとつずつお話ししていきます。

 

1.知らない物を正確に描く


資料として一番イメージしやすいものかと思います。
例えば車のエンジンとか、ギターとか、銃とか、この世に存在しているもので構造が決まっている物を描く時に使います。

この資料は間違えない為に、雰囲気よりも正確さ重視で集めます。とてもシンプルな、理科の教科書みたいな影や奥行きが何も無い、平面的な物に行きつく事もあります。理科のスケッチで、影などつけないこと、と習いませんでしたか?
つまり、構造だけ理解して、立体感や雰囲気などは自分で足していきます。
その雰囲気の為に、また別の資料が必要になる場合もあります。

 

2.大まかに取り入れて参考にする


1.と似ているのですが、こちらは構造を理解するより、「それらしく見えればいい」という目的で使うので、細かい所が曖昧でも大丈夫です。

例えば、「日本の何の変哲も無い街並みを描く」の様な題材のときは、フリー素材の街並みの写真を模写したりします。この模写は必要な所だけピックアップして、あとは省略して、資料と厳密に全く同じにする必要はないと想像できると思います。

 

1.「知らない物を正確に描く 」と、2.「大まかに取り入れて参考にする 」の用途で使う物は、その絵が仕上がれば捨ててしまう可能性が高いですが、3.「雰囲気を醸し出す」と、4.「モチベーションをあげる為に使う」は、自分の世界を作る為にずっと一役買ってくれる可能性があります。

 

3.雰囲気を醸し出す


こちらはファンタジックな物や抽象的な背景など、空想の世界に出てくるような物を描く時に使います。

例えば「水の神殿」のように現実に存在しないものを描く時に、どんな資料を探すでしょうか。
実在のお城の写真、水の中の写真、水の生き物の写真などが、浮かんでくると思います。
しかしこれら現実に存在するものだけでは現実的な要素しかないので、ディズニーランドやゲームの世界で見た時の、キラキラした不思議な雰囲気というものが、掴みにくかったりします。(ディズニーランドの写真も参考になると思いますが、意外と肉眼で見て体験した時とは異なり、緻密に建てられた人工的な物に見えたりします。)

そこで必要になってくるのが人の作品です。

わざと色を鮮烈にしたファッション写真や、CDか何かのジャケットなど、誰かが意味合いを込めて作ったものが雰囲気の参考になります。
ディテールを現実的な写真で観察して、雰囲気を誰かの作品から参考にする、といった感じです。
雰囲気というのは、非現実的なデザインや色合い、質感や風合いなど、言葉にしにくいものです。

しかし自分の感覚で集めるので、自分の世界を作りやすいと言えます。

 

4.モチベーションを上げるために使う


実はこの種類の資料が一番大切で、何か特定の目的の為でなく、ただただ好きな物を集める為に集める資料のことを指します。

例えば、
好きな芸能人の写真を集める
きれいだと思った美女の写真(風景、動物、インスタジェニックな画像)を集める
かっこいい映画やアニメのワンシーンのスクリーンショットを集める
…など

好きなものに囲まれてウットリするイメージです。
私の携帯の写真フォルダは30000枚以上の好きな写真でパンパンです。

今時はわざわざ紙媒体から切り抜きをしなくても、スマホで簡単に画像を保存できるようになったので、かなりお気軽に好きなものを集められます。

ふとしたときに眺めると、忘れていた写真もあったり、インスピレーションを得られることも多いです。
何より、自然に、次はこの色合いを再現してみようかな、この人をモデルにしたいな、とモチベーションがアップしていきます。

資料=役に立つもの
だけではなく
資料=好きなもの
というパターンもあって、作風づくりにはこちらが大事です。

たくさん好きな物に触れて、自分の世界を創って下さいね。