芸大美大

芸大美大、美術系出身者が自分の作品で食べていく方法

りんごを塗る人今回は現役の芸大生や美大生、美術系の学生全般、もしくはそれらを卒業した人が、どのように作品で食べていくのかを書きました。

正直に書きます。

私の周りで作品だけで食べてる人は1人もいません。

一応私は国内トップと言われる東京藝術大学油画科出身です。

同大学出身の知り合いは多いです。

作品を作りながら別の仕事(美術系だったり違ったり)をしている人が99%くらいです。
絵が売れても!です。

この事実を受け止め、何をしたら作品だけで食べていける生活ができるのか、考えるきっかけになればいいなと思います。

1.自分の作品の強みと需要はどこにどれだけあるか、立ち位置を常に考える
2.絵に打ち込むこととセールスの仕方を学ぶことを両立させる
3.自分を宣伝することに慣れておく

1.自分の作品の強みと需要はどこにどれだけあるか、立ち位置を常に考える


何故作品だけで食べていくのが難しいのかというと、学校では誰もその方法を教えてくれないからです。
美術系の就職については教えてもらえる機会があるかもしれませんが、作品を高値で売買してそれだけで生計を立てていく方法はというと…
これといった方法はないし、成功するかはその人次第なので、誰も教えてくれないもとい教えられないのです。
ミュージシャンや俳優を思い浮かべると分かりやすいと思います。

なので教わるというより、成功している先生や先輩から盗むのがいいと思います。

しかし…あなたと近い作風のタイプの作家でなければ、同じことをしても意味がない場合があります。
近くにいるから1番良いお手本になるとは限らないのです。
作品のタイプによって売る場所や受ける場所が違います。

1番効果的なのは尊敬していて目標にしている作家さんの成功したルートを辿ることです。
(作風があまりに自分と違う作家さんであれば、丸々参考にはできません)

いつ、どこに持ち込みをしたか?いつ、どのコンクールに出したか?売れていない時はどうしていたのか?売れるキッカケは何だったのか?

便利なネットを駆使して調べてください。

そして、その作家さんから自分は何歩遅れたところにいるか考えましょう。

どうしたらそれを覆せるか?

人脈がないせいなのか?実積がないせいなのか?予算が足りないせいなのか?

照らし合わせて足りないところをハッキリさせましょう。

あとは自分が活躍できそうな界隈を見つけ、そこに対するアンテナを常に張っておきましょう。

自分の作品が受けそうなギャラリーや出版社のSNSをフォローしておくといいです。
会社や大手企業である必要はありません。
個人でも自分がビビッときた人をフォローしておくといいです。
「絵を描ける人募集」なんて告知があるかもしれません。

2.絵に打ち込むこととセールスの仕方を学ぶことを両立させる


絵を描くことに打ち込みたいから他のことをする時間なんてない…気持ちは分かります。

でも美術系の学校に入れたあなたなら普通の人よりは画力があるはずです。
美術系の学校に入れなかったとしてもこの記事に興味を持って読んでくださってる方なら、絵に興味があるということだからやっぱり普通の人より絵が描けるはずです。

なので「もっとうまくなりたい!」という素晴らしい向上心は少しだけ脇に置いておいて、〝セールス〟にも力を注いでください。

学生の頃勉強しておけばよかったと、私が最も後悔していることです。

絵に使う時間のほんの5%くらいでいいから使って
セルフブランディング
マーケティング
セールスライティング
キャッチコピー
ニーズ
ファン
プロモーション

自分の作品を売るためにはこれらはどう使うのかということを考えるようにしてください。

商売なんて、絵描きの自分のすることじゃない、もしくはできない、そう思いましたか?

なら社会に出たら平日は別の仕事をして休日は作品作りをする生活を送ってもいいと思います。

ただ、子供ができると休日はほぼ無くなります。

やりたい仕事に就けたらいいけど、平日はやりたくないことに時間と体力を使って、休日は育児をする…

絵を描く時間は…?( ゚д゚)

愚かな私は子供に時間の大切さを教わりました。どんな手を使っても!絵の仕事したい!絵以外の仕事にたくさん時間は割けない!…と。
今ネットビジネスやセールスを0から勉強中です。
絵を売ったり、自動で収入を得たりしたいから。

大学のうちに少しでもかじって考えておけばな〜と思っています。

3.自分を宣伝することに慣れておく


人が集まる場所では自己紹介がてら「絵を描いている」ぐらいは必ず言いましょう。

美術系の人が集まる場では「こんな作品を作っている」と、具体的にできることとやりたいことを話しましょう。

私は人からお仕事を紹介して頂いたことが何度もあります。→絵の仕事をする為に準備するもの4つ
いつも携帯に作品の写真を入れていること、名刺を持ち歩いていること、そんなささやかなことを尊敬する作家の先生に褒めていただきました。
(逆にそれをしてない人は注意されていた)

自己顕示欲たっぷりに見せびらかすわけではありません。
話題や仕事や友人を広げるコミュニケーションツールとして、「絵が描ける」というあなたの能力を使うだけです。

まとめ


絵で食べていくのはなかなか難しい!でも昨今は様々な発信の仕方があります。自分の売り込み方を勉強すればきっと道は拓けてくるはずです。

webデザインを油画科出身がやってみた

フェイスペイントの女性私はコテコテの油画科出身です。私の大学では油画科というと、とても自由で何をやっても良く、変人集団扱いでした。
どの科も基本的には自由に制作するものだと思うのですが、日本画は日本画顔料と日本画を描く行程を踏んでいるし、建築科は建築物を作るし、その他の科も一応枠があります。
油画科は本当に特に制約もセオリーも一切ないんです。どの美大もこのカラーが強いかな。
私は鉛筆、コピック、ペン、水彩、Photoshopなどを使って、アニメタッチや絵本タッチで描いたりしていました。
他には自分を使った映像作品、空間を使ったインスタレーション、絵巻物、粘土、ゲームを作った人もいました。
自由ですがその分講評は厳しいです。「何故これを作ったか?」をしっかり説明できないといけません…。
私は排泄のように作品を作りたいので、説明がすごく苦手です。(吐いた息に説明できないのと一緒)この講評は私は何も説明できないので、サボることも多かったです。

そんな環境で過ごした私が、初めてwebデザインをした時の体験と検証を綴ります。(前置き長)
※広告やチラシのような紙のデザインとwebデザインはまた全然違うみたいですね!奥が深い。

1.デザインはゼロから生み出すものではなかった
2.デザインは機能美だった
3.デザインはオシャレで社交的な人だった

1.デザインはゼロから生み出すものではなかった


webデザイン見習いとして、知り合いの会社で働かせてもらったのですが、1番驚いたのは、テンプレなるものがあるということ…!
最近では漫画やイラストも背景がフリー素材だったりしますよね。
でもメインのものを描く作業ってまだまだ短縮せず描く人がしっかり描くものです。分業はあっても。
しかしデザインというものは、ひな形というかお手本というものがあって、そこから組み替えていくという感じで、ゼロから作るんじゃないんだ…!というのがまず驚きでした。
そもそも絶対入れる情報がある時点で、既にゼロではないですね。
基本油画科は何から何までゼロから作れ!という風潮だったので…例えば作品に造花とか使いたいなと思っても、「そこから手作りだろうが!!」みたいな。
デザインは良いものがある程度決まってると聞くし、早さも重要ですものね。自分でゼロからやってないけどかっこいいものをかなり組み入れていいんだ!というのが驚きでした。

2.デザインは機能美だった


デザインの美しさは見やすさと分かりやすさの上に成り立っていて、まるでメカや生き物みたいな機能美なんだなと思いました。
流行で少しずつ変化しても、基本的に人間が見やすいと感じるものは変わらないからでしょうか。
webデザインに限っていうと、メインで目を引き、あとは緩急つけすぎず、大文字と小文字くらいを使い分け、ポイントに色を置く…という流れが見やすいみたいです。
たしかに急に文字の大きさが変わると何だ?と止まってしまいますね。大切なことが書いてあったらいいのですが、普通の情報なのにいちいち目に飛び込んできたらストレスです。それが何度も続くとガチャボコした印象を持ちます。
「ダサくても、まずは見やすいことが大切なんです」と教わりました。1ピクセル何か変わっただけで見づらさを感じてしまうので、ただ配置するだけでは見やすさは作れません。
Photoshopのガイドやグリッドはほとんど使ったことがなかったけど、ガイド、グリッド様様です!画像や文字をなんか気持ちいいなという位置に動かすと、ガイド上に揃ったりするんですよね。40ピクセルずつのグリッドと20ピクセルずつのガイドが使いやすいと思いました。ガイドはmacならコマンド+:、グリッドはコマンド+@です。出したりしまったりするととてもやりやすいです。コマンド大事!

3.デザインはオシャレで社交的な人だった


デザインとはただ情報を並べるのではなく、分かりやすくかつTPOに合わせて装飾の具合を変える…なんだかデザインはオシャレに気を使っているコミュ力が高い社交的な人を擬人化したみたいだ!と思いました。そもそも、デザイン科は油画科に比べてコミュ力が高いと言われていたんです。クライアントがいて明確な目的と優先順位を持って制作するわけですから、情報伝達が上手くなりそうですね。それに比べて油絵科は自分のためにする個人的な作業が多いわけですから感覚的な部分が強くなります。よく「デザイン科のデッサンは正確に描けていればいいけど、油絵科のは違う。絵作りになっていないといけない。」と、予備校で教わりました。
正確さよりも別のところで感動させなければならないということだと思います。油絵を擬人化するとなんだろう…?浮かばない…。

まとめ


デザインはダメな部分にもちゃんと理由があるので、納得して作業ができることが多いです。自分にはデザインなんてセンスがないから絶対できないと思っていましたが、少しづつこうすればいいのかな?ということが分かってきて親しみを感じるようになりました。人を惹きつけたり、人が見やすいと感じる配置などをもっと学んでいきたいです。自分に足りない要素だと思うので。

エロい?美大のヌードデッサン

ヌードの絵美大出の自分にとっては当たり前の日常だった「ヌードデッサン」が、他の人からすればベールに包まれた不思議な存在だったようなので、ヌードデッサンについてお話しします。

1.目的
2.描き方
3.どんなモデルさんがくる?
4.どんな気持ちで描く?

1.目的


まずカリキュラムについてですが、予備校だと一つの題材を9時〜17時まで休憩1時間で、一日8時間、計3日かけて描きます。静物画でも人物画でも同じです。一人のモデルさんを3日かけて描くわけです。ただし人物画の場合はこまめにモデルさんに休んでもらいます。
通常は着衣のモデルさんですが、ヌードモデルさんが来るときが3ヶ月〜半年に一回くらいあります。モデル料高いのかな?貴重な時間でした。
それとは別に月に一度くらい放課後にヌードクロッキー(デッサンより時間をかけないスケッチのこと。質より量とスピード重視)の時間があって、一人1000円〜1500円くらいで参加できます。こちらは任意です。
大学の場合だと、教務に「ヌードモデルさん派遣してください。日時は〇〇」といえばいつでも来てもらうことができました。

2.描き方


ヌードデッサンの目的は、人体をしっかり観察して描けるようにすることかなと思います。着衣に惑わされず構造が分かるので。
でも目的なんて描く人それぞれ。筋肉重視の人もいれば全体のバランス重視の人もいるでしょう。肌色をうまく作る練習のため絵の具を持ち出してもいいし。自分の勉強になればいいのです。

漫画や映画などではモデルさんが部屋の真ん中にいることが多いですが、壁際にいることが多かったです。だいたい一人のモデルさんに対し7〜10人くらいが描きます。
20分描いて10分休むという30分サイクルでした。モデルさんはポーズを取る前にタイマーをセットします。みんなで「お願いします。」という挨拶をしてからスタートします。ポーズ中はそのアトリエ内に出入り禁止です。
ポーズですが、先生からの指定がなければモデルさんが自分でポーズを取って、「いいですか?」と聞いてくれるので、誰かのリクエストがなければそのままスタートです。
休憩後も初めのポーズをとり続けるのがデッサン、休憩の度にポーズが変わるのがクロッキーのイメージです。
私は予備校でモデルをした経験もあるのですが、ずっと動かないでいるのは結構きついです。しかし気を抜いてリラックスすると眠くなるという…
眠ってしまうモデルさんもいて、もちろん眠ってしまうと表情やポーズが変わってしまうから、「起きてください」と言われてしまうこともありましたね。

3.どんなモデルさんがくる?

着衣の場合もそうでしたが20代くらいの若い女性のモデルさんが多かったです。
たまに男性や40代〜50代の女性なども来ます。外国人モデルさんが来る場合も。(誰かのリクエストだったのかな?)
ヌードモデルさんを専業でされている方はいるんでしょうか…兼業なさっている方は普段は何をされてるかというと、ダンサーさんが多いんです!立派な体ですもの人に見せたくなりますね。
このお店で踊ってますとか、今度公演やりますなんて、休憩中に教えてくださる方もいます。
私が今までで一番「すごい…!」と思った肉体は、舞踏家の男性でした。
細身なのですが細かい筋肉全てが浮き出ているんです…!超絶美しい。
女性より男性の方が余分な脂肪がなくて描きやすいです。

4.どんな気持ちで描く?


気持ち…これも描く人と描くときによって様々ですが、私はほとんど毎回「体の全ての凸凹を描いてやる!」と、以外にもエロくない気持ちで描いていました。
でも!生真面目に描いてばかりいたわけではありません。
妙に色気を発しておられる方もいるんです。しかもそれをガン見しなければいけない。
そういうときは表情とか、雰囲気とか、「人体」より「モデルさん個人」を描きたくなってきます。
ポーズ取るのがきついのか汗ばんで、表情も苦しそうになって…生の人間の息遣いを感じます。
実際男子学生に聞いたところ、エロい気持ちをぶつけて描いてるよ!と証言していましたし、逆に「俺はエロい気持ちなんて少しも持っていない」と言っている方が本当に?と思ってしまいます。
モデルさんされる方は読んでいて不快に感じられたかもしれませんが、ちゃんとそのエネルギーを作品に昇華していますよ。
エロとクールさの比率が、本当に卑猥なものを見ている時が9:1だとすると、デッサン中は4:6くらいだと思います。(個人差あり)
良い作品はまず熱さから生まれると思うので…ちょっと素晴らしい肉体に興奮してしまうことはお許しください。

まとめ


美大以外にもヌードクロッキー会などを開催しているところはたくさんあります。参加費1000円〜みたいです。興味があったら簡単に参加できますよ。
懐かしいな〜友達と裸描きっこしたこととか。しばらく描いてないので私も参加したくなりました。