絵のタイプは大きく分けて2つあります。
まずは
得意な絵→完成をイメージしやすいもの
好きな絵→好きなもの
と考えて頂けるとスムーズです。
得意な絵
貴方の得意な絵というのは、現時点であなたの絵の特性を生かしやすいモチーフ、題材、タッチなどを用いた絵のことです。
貴方の得意な絵の特性というのは、貴方の身体的特徴、あるいは声質みたいなものなので、大きく変えることはなるべくせず、大事に付き合っていって欲しいものです。
描きたい絵
対して、貴方が描きたいと思う絵は、文字通り貴方が好きだと思っている絵のことです。1番好きな絵だけが好きな絵、と限定する必要はありません。2番目に好きな絵、ここが好きだけどここは微妙な絵…と、何種類もあるものです。
得意と好きの重なるスポット
例えば、全然趣味も性格も違う人を好きになったとします。
インドア派とアウトドア派だったり、パーティ好きと静かなのが好きだったり、どう考えても合わないのに、でも好きになってしまった場合、簡単に諦められるでしょうか?
何とか共通点を探したり、相手の趣味をやってみようかなと思ったり、何とかして距離を縮めようとするのではないでしょうか?
得意な絵と描きたい絵が一致している場合、何も心配ありません。そのまま得意な絵を磨きましょう。
得意な絵と描きたい絵がかけ離れていた場合でも諦めずに、得意な絵と好みの絵を良いバランスで取り入れた、オリジナルの絵を構築することを目指しましょう。
「得意な絵がよく分からない」という方は以下の記事をご覧になって見てください。好きなものが見つかるヒントになるかもしれません。
私は油絵科の浪人時代、細い線と薄い絵の具のタッチで描くのが得意でした。
水彩と鉛筆の方が使いやすかったんです。
「油絵」というと、しっかりと重厚な画面を作るイメージがありました。
そして、ナイフを使って盛り上げたり、筆のタッチをわざと残す塗り方をしたり、そんな描き方をいとも簡単にできる人が羨ましくて挑戦していました。
少しずつコツを掴んできても、ナイフだけでかっこよく描ける人を見ては落ち込み、到底敵う気はしませんでした。
でも、色んな描き方を試して、薄塗りの描き方はやはり自分の表現したい色彩をスムーズに現わせるので、使わない手はない、と思いました。
友人からは「薄描きの部分だけで充分だから、これ以上足さなくていいのでは?」という意見もありましたが、油絵の具を盛り盛り塗ることも捨てがたかったので、組み込む方法を考えました。
初めは欲張りでくどいバランスでしたが、徐々に薄い所と厚い所で、バランスが取れるようになっていきました。
そして最終的には、東京芸大と受験した全ての美大入試に合格できるタッチが完成しました。
油絵の具の良い所を出せていないのでは?
だからといって自分の長所を捨てるのも勿体ない
この相反する2つの考えを持ち続けたお陰で、誰ともかぶらない絵になったので、描きたい絵が自分の得意な絵とかけ離れている場合でも、私は諦めることはない、と思います。
得意なこととやりたいことの重なったスポットは必ずあります。
一人で見つけられなかったらぜひ相談してください。
見極めが難しい場合は、こちらの記事も参考にして頂ければ幸いです。